ようこそ加西市国際交流BLOGへ!
加西市には約800人の外国人の方がお住まいです。
国籍にとらわれず、お互いを理解しながら、国境を越えたつながりがたくさん生まれますように★★★
そんな思いを込めて活動している事務局からのインフォメーションをお届けします。(^ー^* )
2013/03/12 (Tue)
~ episode3 ~
【 ことば - KOTOBA - 】
毎週週末になると、加西市のNPOや市民団体がボランティアで行っている日本語教室に通う外国人の方々の姿をよく見かけます。事務局前のフリースペースや図書館の自習机でも、休みの時間を利用して、毎週熱心に日本語の勉強に励んでいらっしゃる外国人の姿を見かけます。外国人の皆さんだって、もちろん平日はお仕事されています。週末は自由な時間をゆっくり過ごしたいだろうと思うのに、休みの日は勉強と決まったように、日本語教室の時間も含め、それも朝から晩までみっちり勉強されています。特に、日本語能力試験など目標を持って勉強している方が多いみたいです。
私もそんな外国人の方から、日本語の問題について質問されることがあります。問題の形式は、私が学生時代に受験勉強でよくみた英語の問題形式に似ていて、語彙・文法・聴解・読解がありました。日本語の問題だから、日本語を母国語とする私は余裕!と思っていたのですが、、、読解なんて、日本人でも難しいような内容の文章で、経済学がテーマだったり、心理学がテーマだったり、小説を取り上げた内容だったりと、ん~とうなってしまうような問題ばかり。でもよく考えてみると、私たちが学生時代、英語の長文読解も専門的な内容の文章が多かったな~。それでも、よく勉強されている外国人の方は、この文章がなかなかおもしろいとか、この意見に賛成だとか、それなりに楽しんで問題を解いているようでした。楽しみながら勉強できるのが一番!
のんびりと構えていた私に、外国人の方が文法の問題を質問してきた時のことです。( )に当てはまる適当な言葉を選びなさい。という問題。選択肢が4つありました。問題に目を通すと、あれっ、えっ、どれが正解??? 選択肢の内2つは難なく除外したのですが、残りの2つ、どちらを当てはめても正解なんだけど・・・。
するともう一問。これはどれが正解ですか?と尋ねられた私。問題はというと、(皆さんも考えて下さい)
問)あの映画は人気があるので、入場券を買う人がたくさん( )。
①整っている ②並んでいる ③あふれている ④参加している
これは簡単!!!と私は意気込んで「答えは②だよ」と。尋ねてきた外国人の方の顔を見ると、全く納得できない様子。「どうしてですか?私は③だと思います」。私は、そう言われると③かも・・・ って、一瞬頭をよぎったのですが、いやいや惑わされてはいけない。それじゃ、いっしょに考えましょう!と言って、絵に描いて説明してみました。「ここに映画館があります。ここで券を販売しています。それで、たくさんの人が券を買うためにここで待っています」という具合に。そこで、突然彼が「えっ!!!これは人ですか?」と私の絵を指して言いました。それは、一列になって順番を待っている人を描いたものだったのですが、どうしてそんなに不思議??? 彼が続けて言うには、「私の国では、何かを待っている時、このように一列になって待つことはありません。みんなバラバラに広がって待っているだけです。日本では一列になって待つのですか?」。「そうですよ」と答える私に。「それでわかりました。答えは②の並んでいるか~!」。彼は、選択肢の①~④の全ての意味は理解していました。文章を読んで状況を思い浮かべると、彼の国ではもちろん③のあふれている。だったんですね!
日本語を学ぶためには、語彙・文法などの問題を解くだけではなく、日本の文化の知識が必要ということを、改めて認識しました。それは、日本語に限らず全てのことばに当てはまることだと思います。そして、私たちは日本語を教える際、外国人に日本の文化を意識することを強要するだけでなく、一人ひとりの文化も知ること、共有することが必要であることも。そうすることで、ことばの伝え方も受け取り方も変わってきます。
今まで単なる日本語の勉強と思っていましたが、日本語を教えるということは、日本の文化を外国人に教えていることに繋がっているのかもしれません。
国際交流・国際理解に必要なこと。国籍や民族で簡単に境界を引いてしまうのではなく、個々の文化を理解し合あうというのは、ことばの学習、理解にも同じことが言えるんですね。
今これを読んで下さっている皆さまが、もし外国人の方と接する機会があれば、『ことばと文化』の関係を頭の片隅にでも覚えておいて頂けたら、今までとは違った発見や心の交流ができるかもしれません。
おわり
~ episode3 ~
【 ことば - KOTOBA - 】
毎週週末になると、加西市のNPOや市民団体がボランティアで行っている日本語教室に通う外国人の方々の姿をよく見かけます。事務局前のフリースペースや図書館の自習机でも、休みの時間を利用して、毎週熱心に日本語の勉強に励んでいらっしゃる外国人の姿を見かけます。外国人の皆さんだって、もちろん平日はお仕事されています。週末は自由な時間をゆっくり過ごしたいだろうと思うのに、休みの日は勉強と決まったように、日本語教室の時間も含め、それも朝から晩までみっちり勉強されています。特に、日本語能力試験など目標を持って勉強している方が多いみたいです。
私もそんな外国人の方から、日本語の問題について質問されることがあります。問題の形式は、私が学生時代に受験勉強でよくみた英語の問題形式に似ていて、語彙・文法・聴解・読解がありました。日本語の問題だから、日本語を母国語とする私は余裕!と思っていたのですが、、、読解なんて、日本人でも難しいような内容の文章で、経済学がテーマだったり、心理学がテーマだったり、小説を取り上げた内容だったりと、ん~とうなってしまうような問題ばかり。でもよく考えてみると、私たちが学生時代、英語の長文読解も専門的な内容の文章が多かったな~。それでも、よく勉強されている外国人の方は、この文章がなかなかおもしろいとか、この意見に賛成だとか、それなりに楽しんで問題を解いているようでした。楽しみながら勉強できるのが一番!
のんびりと構えていた私に、外国人の方が文法の問題を質問してきた時のことです。( )に当てはまる適当な言葉を選びなさい。という問題。選択肢が4つありました。問題に目を通すと、あれっ、えっ、どれが正解??? 選択肢の内2つは難なく除外したのですが、残りの2つ、どちらを当てはめても正解なんだけど・・・。
するともう一問。これはどれが正解ですか?と尋ねられた私。問題はというと、(皆さんも考えて下さい)
問)あの映画は人気があるので、入場券を買う人がたくさん( )。
①整っている ②並んでいる ③あふれている ④参加している
これは簡単!!!と私は意気込んで「答えは②だよ」と。尋ねてきた外国人の方の顔を見ると、全く納得できない様子。「どうしてですか?私は③だと思います」。私は、そう言われると③かも・・・ って、一瞬頭をよぎったのですが、いやいや惑わされてはいけない。それじゃ、いっしょに考えましょう!と言って、絵に描いて説明してみました。「ここに映画館があります。ここで券を販売しています。それで、たくさんの人が券を買うためにここで待っています」という具合に。そこで、突然彼が「えっ!!!これは人ですか?」と私の絵を指して言いました。それは、一列になって順番を待っている人を描いたものだったのですが、どうしてそんなに不思議??? 彼が続けて言うには、「私の国では、何かを待っている時、このように一列になって待つことはありません。みんなバラバラに広がって待っているだけです。日本では一列になって待つのですか?」。「そうですよ」と答える私に。「それでわかりました。答えは②の並んでいるか~!」。彼は、選択肢の①~④の全ての意味は理解していました。文章を読んで状況を思い浮かべると、彼の国ではもちろん③のあふれている。だったんですね!
日本語を学ぶためには、語彙・文法などの問題を解くだけではなく、日本の文化の知識が必要ということを、改めて認識しました。それは、日本語に限らず全てのことばに当てはまることだと思います。そして、私たちは日本語を教える際、外国人に日本の文化を意識することを強要するだけでなく、一人ひとりの文化も知ること、共有することが必要であることも。そうすることで、ことばの伝え方も受け取り方も変わってきます。
今まで単なる日本語の勉強と思っていましたが、日本語を教えるということは、日本の文化を外国人に教えていることに繋がっているのかもしれません。
国際交流・国際理解に必要なこと。国籍や民族で簡単に境界を引いてしまうのではなく、個々の文化を理解し合あうというのは、ことばの学習、理解にも同じことが言えるんですね。
今これを読んで下さっている皆さまが、もし外国人の方と接する機会があれば、『ことばと文化』の関係を頭の片隅にでも覚えておいて頂けたら、今までとは違った発見や心の交流ができるかもしれません。
おわり
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